妊娠中の眠気の原因は?
プロゲステロンとはどんなホルモン?

プロゲステロンという女性ホルモンについて聞いたことはあるでしょうか?プロゲステロンとはステロイドホルモンの1つで「黄体ホルモン」と言われています。
妊娠中の主な作用としては、妊娠を維持することやおっぱいを分泌するために乳腺を発達させる作用があります。
妊娠中は排卵が起こりませんが、それはプロゲステロンが脳の一部である下垂体に働きかけ、黄体形成ホルモンの分泌を抑えているためです。妊娠が成立すると、黄体が妊娠黄体に変化します。
妊娠黄体は、hCGという受精卵が着床した際にできる絨毛から分泌されるホルモンの刺激によって、プロゲステロンを分泌させていきます。
妊娠7週頃になると、今度は胎盤からプロゲステロンは分泌できるようになるため、妊娠黄体は退縮していきます。
このプロゲステロンですが、妊娠維持に欠かせないため、妊娠中は分泌量が上がります。プロゲステロン自体に眠気を誘う作用があるため、妊娠中は眠気を感じることが多いのです。
また、プロゲステロンには子宮の平滑筋を緩める作用があります。そのため、赤ちゃんの成長に合わせて子宮を大きくする働きがあるのです。ただ、子宮以外の平滑筋もゆるめてしまうため、血圧が上がったり、便秘をひどくする原因にもなるのです。
生理前と似た症状

妊娠中は体調の変化が著しいですが、特に、だるさや眠気、頭痛、便秘や消化が遅い、涙もろいなど情緒不安もプロゲステロンが少なからず関係している場合もあります。
どれも辛い症状ですが、赤ちゃんの成長のために大切な作用をしているので、上手に付き合っていけるといいですね。
また、妊娠していない時でもプロゲステロンは分泌されます。排卵後に分泌量が増えるため、生理前に眠気を感じることがあるのもそのためです。
プロゲステロンの作用によるその他の症状としては、基礎体温の高温期を維持する、ニキビが増える、だるさを感じる、風邪の初期症状を感じる、むくみやすくなる、頭痛、便秘、イライラして情緒不安定になるなどがあります。
これらは、「PMS(月経前症候群)」といわれます。生理前に体験したことがあるママも多いかもしれませんね。よくPMSと妊娠初期症状が似てると言われるのも納得ですね。
眠りづわりとは?

つわりの症状はさまざまで、人によって異なりますが、「眠りづわり」という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。これも、プロゲステロンの作用で、眠くて眠くて仕方がないという状況になってしまいます。
眠気を我慢するのも辛いですが、赤ちゃんからの「眠っていいんだよー」というサインだと思って過ごせるといいですね。
傍からみると、「いつも眠っている」とサボリ気味に見えてしまうこともあります。パパや家族もヤキモキ…なんてこともよく聞きます。
しかし、ママはホルモンの影響で眠いのです。パパや家族も、「この眠気はおなかの中の赤ちゃんのためなんだ」と理解して、ママに協力できるといいですね。
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仕事をしている妊婦さんにおすすめの対処法
仕事中の眠気対策

それでは、オフィスで取り入れられる対策としてはどのようなことがあるでしょうか?
●背伸びや肩をまわす、足のつま先を曲げたり伸ばしたりするなどの軽いストレッチ
●歯みがきをする
●炭酸水や冷たい飲み物を飲む(とりすぎは注意です)
●ハーブティを飲んでリフレッシュする
などがおすすめです。
目を閉じて深呼吸することもよいです。ただ、そのまま寝落ちしてしまうこともありますので、タイマーをかけることも忘れずに。
ちょっとトイレで5分くらいウトウト…もいいかもしれませんね。体調が許せば、少し体を動かせる仕事を取り入れるのもいいかもしれません。
体が動いていればそこまで眠気を感じずにすみます。つまり気分転換できるとだいぶ症状が軽くなります。ただ、つわりや体の変化が著しい時期なので、無理は禁物です。こまめに休息をとるようにしましょう。
また早めに帰宅し、帰宅後はリラックスタイムが取れるようにしたいですね。体調が許せば入浴しましょう。夜間はしっかり睡眠をとることが大切です。
フルタイムでお仕事をしていると、帰宅後はぐったりというママも多いです。さらに疲れやすく、また眠気が襲ってきます。そんなときに心強いのはパパや家族の存在です。
パパ自身もお仕事で大変疲れているとは思いますが、できるところからママに協力すると、ママはとっても助かります。
体を張って赤ちゃんを守っているママです。コミュニケーションとちょっとした協力で、ママの気持ちも落ち着きます。出産後の子育てリハーサルと思って、パパも少しずつ協力できるといいですね。
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まとめ
妊娠中の眠気は、赤ちゃんを育て、守るために体が出しているサインです。ママになるための登竜門と思って、休息を取り入れながら過ごしていきましょう。
辛い症状ですが、上手に対策方法を取り入れたり、パパや家族に協力してもらったりしながら付き合っていけるといいですね。
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