妊娠中はなぜ体重が増えるのか?
妊娠中の体重増加はホルモンによるもの!

妊娠中に体重が増加すると「胎児が成長している証拠」と思ってしまう方、多いのではないでしょうか?妊娠前の体重にもよりますが、妊娠中に増加しても良い量は8kgとされています。
これは、子宮1kg、胎児3kg、胎盤500g、羊水500g、脂肪分1kg、血液増加分2kgで換算されます。体重増加の主な理由は、脂肪の増加と血液量の増加といえます。
脂肪がつきやすくなる理由は、胎盤から成長ホルモンに類似するヒト胎盤性ラクトゲンというホルモンが分泌されるためとされています。
このホルモンが体内に脂肪を蓄積させる働きを担っています。また、出産時の出血に備えて、体内の血液量が、妊娠中のホルモンの作用により、1.4倍にまで増加します。
これらのことから、妊娠中に体重は増加します。
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妊婦時代に培ってきた体重がなかなか落ちない理由とは一体何でしょうか。
まず1つ目にホルモンのバランスにより、体内の赤ちゃんを守ろうとしたり、母乳育児に備えて腹回りや、胸に脂肪が増加します。これが、体重を増やす要因となっていることが考えられます。
2つ目に考えられるのが基礎代謝の低下です。妊娠中の安静や、脂肪の増加に伴う筋肉量の減少によって基礎代謝が低下するため、カロリーが消費しにくくなります。
3つ目に骨盤のゆがみと開きが考えられます。妊娠中はリラキシンという妊娠ホルモンが分泌され、骨盤や全身の靭帯を緩める働きをします。
この働きによって、骨盤が開きやすくなっており、内臓を守ろうと皮下脂肪がつきやすい状態となっています。
また、妊娠中に伸びきっていた腹筋も、産後すぐには元に戻ることができず、結果、内臓を守るために皮下脂肪がついてしまいやすくなります。
出産前の体重に戻すためには、産後6ヶ月が勝負とされており、それ以降となると痩せにくくなる傾向にあります。
母乳育児で痩せる?
妊娠前の体重に戻すためには、母乳育児が有効と言われていますが、母乳育児によって、体重を落とすことは可能なのでしょうか。
そもそも母乳100mlに対してのエネルギー量は約65kcalとされています。生後一ヶ月の赤ちゃんが飲むミルクの推奨量は1日700mlとなっています。
そのため、もしもミルクと同じ量の母乳を赤ちゃんが飲むとすると1日455kcal消費したことになります。ちなみにこれは、普通体型の人が約2時間半ウォーキングしたのと同じくらいのエネルギー消費量です。
このことから、母乳育児をすることで1日のエネルギー消費量に差が出てきます。また、母乳育児を行うことで、プロラクチンというホルモンが分泌されます。
このホルモンは母乳の分泌量に関わる大切なホルモンなのですが、このホルモン分泌によってプロゲステロンという月経に関わるホルモンの分泌が抑えられます。
このホルモンの分泌が抑えられることで、体は妊娠への準備を中止します。
妊娠への準備が中止されると体が水分や栄養分を蓄積しなくなるため、体自体が痩せやすい体を作っていくようになり、授乳中は体重管理をしやすくなります。
二人目以降だとさらに痩せない?
前述してきたように、母乳育児によって体重を落とすことが可能となることが分かります。しかし、ここで注意して欲しいのが、2人目の場合はそうはいかないということです。
まず、2人目を出産したということは、ある程度の年齢を積み重ねているため、基礎代謝が落ちています。
そのため、完全母乳育児をしたとしても、1人目程のカロリー消費は不可能と考えていいと思います。また、2人子どもがいることによって、2人に合わせて生活をしなければなりません。
そんな生活リズムの乱れによる疲労や子どもに合わせた食習慣による摂取カロリーの増加が、2人目を出産した後に痩せにくい要因とされています。
産後に痩せる方法とは?
食事を見直して痩せよう

産後は授乳によって栄養が赤ちゃんに移行するため、おなかが減り食事摂取量が多くなる傾向にあります。
ただし、痩せようと思って無理に食事制限をすると、赤ちゃんにも適切な栄養が行き渡らなくなります。1日3回の食事は基本的に制限をかけずバランスよく摂取し、ファストフードや油物は控えましょう。
食事をしっかりとってもおなかが空いてしまうため、痩せるために見直していきたいのがこの間食です。市販の菓子では、エネルギー量に対して栄養素が少ない傾向にあります。
そのため、菓子類の間食を止め果物やナッツ、おにぎりなどの軽食を食べるようにしていきましょう。カロリーの摂取量を減らし、栄養素の摂取量を増やすことが産後痩せるための食生活のポイントとなります。
日常生活で動いて痩せる!
産後、授乳中は授乳によってカロリーが消費されるため、無理に運動をしなくても大丈夫であるとされています。
だいたい3ヶ月で、子どもが生きていく上で必要な免疫が移行するため、しっかりと運動していくのであれば産後3ヶ月以降がおすすめです。
授乳中は特に、今後痩せやすい体質となるように基礎代謝を高めることを目的として軽いストレッチなどでも十分効果的です。
また、家事をするにも4kg近い赤ちゃんを抱いたまま行うことが多くなります。そのため、赤ちゃんを抱いたまま散歩をする、家事をするだけでも十分なカロリー消費となります。
専門機関へのご相談はこちら
※健康状態に心配なことがある場合や受診の目安に迷った場合は専門機関へのご相談をおすすめします。以下のような窓口もご活用ください。
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まとめ
女性である以上、いつまでも美しい体型でいたいものですよね。将来、子どもから、「お母さんキレイ!」と思ってもらえるよう、体型には磨きをかけていきたいものです。
しかし、無理なダイエットにより母子ともに体調を崩しては大変です。正しいダイエットを行い、無理なくキレイなお母さんになっていきましょう。
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