地震や台風、豪雨など、いつ起こるか分からない災害。もしもの時に、電気やガス、そして水が止まってしまったら…子育て家庭にとって、日々の洗濯は大きな悩みの種になりますよね。特に、食べこぼしや泥汚れ、おねしょなどで汚れた子どもの衣類は、すぐに洗って清潔に保ちたいもの。そんなママパパの切実な願いに応える、画期的なシステムが誕生しました。

災害時でも洗濯を止めない!「オーシャンループシステム」の革新技術

コインランドリー専門会社であるファミリーレンタリース株式会社が、災害時でも継続的に洗濯が可能な「洗濯水循環システム『オーシャンループシステム』(OLS)」に関する特許を取得しました。このシステムは、能登半島地震での洗濯ボランティア支援活動を通じて、「洗濯ができないこと」が被災地の衛生環境や生活負担に大きな影響を与えることを実感した経験から開発されたものです。

特許取得の「オーシャンループシステム(OLS)」とは?

OLSは、断水時でも水が供給されなくても洗濯を継続できるよう、洗濯インフラそのものを見直して開発されました。独自開発した洗濯水を循環再利用し、洗濯用途に適した水質環境を維持管理するシステムです。

  • 重曹ベースの「重珊水」

    OLSは、洗剤会社と共同開発したコインランドリー専用の洗濯水「重珊水(じゅうさんすい)」を循環再利用します。重珊水とは、海や自然環境、人への配慮を目的として開発された、重曹(炭酸水素ナトリウム)をベースにした弱アルカリ性の洗濯水です。一般的な酸性汚れに対して洗浄効果が期待できます。

  • 高度な濾過・殺菌・水質管理

    洗濯排水は、バックフィルター、オゾン、UV(紫外線)、ゼオライト、活性炭、珊瑚砂、ヒーターなどを用いて濾過・殺菌・水質管理しながら循環させ、再び洗濯水として活用されます。特にバックフィルターは最小0.5μm程度の微細な粒子まで取り除き、オゾンやUVは除菌、消臭、ウイルス不活化に効果を発揮します。珊瑚砂は重珊水のpHを安定させる天然の緩衝材として機能します。

  • 公衆浴場基準を参考にした水質管理

    OLSでは、公衆浴場などで用いられる水質管理基準を参考とした管理を目指し、pH、濁度、色度、水温などをオンラインで常時監視できる水質管理システムを採用。リアルタイムで水質状況を確認・管理し、一定基準を超えた場合には重珊水を交換することで水質維持を図ります。

OLSは、単に水を再利用するだけでなく、「洗濯に適した水質環境を維持しながら循環させる」という考え方を特徴としています。

処理能力と水消費量

OLSの処理能力は1日最大24t(24,000L)を想定しており、洗濯1回あたり100L程度とすると、1日最大約240回洗濯が可能です。限られた水資源でも継続運用を可能にする設計となっています。

災害時の運用想定

災害対応車両として、ランドリー用コンテナとインフラ用コンテナを被災地へ移動・設置。LPG(プロパンガス)とLPG発電機を使用し、ガスと電気を確保します。重珊水は給水車で運搬することで、自立した洗濯環境を整備します。

平時と災害時の両立

このシステムは、平時は地域のコインランドリーとして運営され、災害時にはOLSシステムに切り替えて洗濯衛生設備として機能します。

官民連携で地域を支える洗濯衛生インフラ

OLSは、緊急防災・減災事業債等の財政措置を活用し、自治体の実質的な負担を大幅に抑えながら導入できる官民連携型の洗濯衛生インフラとして想定されています。平時はファミリーレンタリースが管理・運用を行い、災害時には避難所や被災地域で無料開放される運用モデルです。役場、公共施設、スポーツ施設、防災拠点、道の駅などへの設置が主な候補として挙げられています。

今後の展開と開発者の思い

開発者の鈴木康夫氏(クリーニング師)は、弱アルカリ性の重珊水、温水、業務用ランドリー、水質管理技術を組み合わせたOLSが、災害時に大量の水と洗剤を消費せずに、被災地で多くの方が使用できる洗濯環境を提供すると語っています。今後は第三者機関による実証実験を進め、実用化に向けて開発を進めていくとのことです。

代表取締役会長兼社長の鈴木國夫氏は、「洗濯は、トイレや入浴と同じく、被災時の生活と尊厳を守る重要なインフラです。能登半島地震での支援経験から、洗濯を公衆衛生インフラとして自治体の防災計画に位置づける必要性を強く実感しました。洗濯を止めない。それは、生活を止めないということです」とコメントしています。

子育て家庭の「もしも」に備える!コズレ編集部が注目するポイント

災害はいつ、どこで起こるか予測できません。特に小さなお子さんがいる家庭では、衛生環境の維持は健康を守る上で非常に重要です。この「オーシャンループシステム」は、そんな子育て家庭の「もしも」への備えとして、コズレ編集部も大いに注目しています。

子どもの衛生環境を守る重要性

子どもは免疫力が低く、肌もデリケートです。汚れた衣類を清潔に保てないと、肌トラブルや感染症のリスクが高まります。災害時に断水が続くと、洗濯ができないことで衣類が不衛生になりがちですが、OLSがあれば、温水と肌に優しい重曹ベースの洗濯水で、子どもの衣類を清潔に保つことができます。これは、子どもの健康を守る上で非常に心強いポイントです。

ママパパの負担軽減と心のゆとり

災害時は、ただでさえ心身ともに大きなストレスがかかります。その中で、手洗いや水汲みといった重労働を伴う洗濯は、ママパパにとって想像以上の負担となるでしょう。OLSのようなシステムが普及すれば、洗濯の負担が軽減され、少しでも心のゆとりを持つことができるはずです。清潔な衣類は、被災生活におけるささやかながらも確かな安心感につながります。

環境にも配慮したサステナブルな洗濯

「重珊水」の利用や、高度な濾過・殺菌技術による洗濯水の循環再利用は、水資源の節約だけでなく、環境負荷の低減にも貢献します。災害時だけでなく、平時も地域のコインランドリーとして利用できることで、日常的に環境に優しい洗濯習慣を実践できる点も、未来を担う子どもたちのためにも大切な視点です。

【参照元】

PR TIMES + 官民連携で、災害時でも洗濯を止めるな。ファミリーレンタリースが洗濯水循環システム「オーシャンループシステム」の特許取得

・掲載内容や連絡先等は、現在と異なる場合があります。
・表示価格は、改正前の消費税率で掲載されている場合があります。ご了承ください。

関連するキーワード