陣痛について
陣痛とは?

出産では、子宮が収縮することで赤ちゃんが外に押し出されますが、この子宮が収縮するときに感じる痛みが陣痛です。陣痛は生理痛や便秘のような感じから始まって、徐々に痛みが強くなっていきます。
陣痛には、前駆陣痛と本陣痛があります。本陣痛の前に起こるのが前駆陣痛であり、分娩にはつながらずにおさまっていきます。一般的に、本陣痛がくると分娩がはじまると言われています。
前駆陣痛
前駆陣痛って何?

前駆陣痛は、不規則な子宮収縮のことで、分娩にはつながらず時間が経つと徐々におさまっていきます。間隔がばらばらで、個人差はありますが痛みはそれほど強くはありません。
また痛みだけではなく、おなかの張りや、不快感、圧迫感といったかたちの前駆陣痛を感じることもあります。そのため、初産の方などは気付かないことも多いようです。
一般に前駆陣痛は妊娠36~40週頃に始まります。ただし個人差が大きく、前駆陣痛がきて数時間後に本陣痛が始まることもあれば、1ヶ月も前にくることもあります。
本陣痛について
本陣痛とは?

本陣痛とは、赤ちゃんを体外に出すために子宮が収縮する際の痛みです。痛みの間隔が規則的で、徐々に間隔が短くなっていきます。また、痛みも段々強く長くなっていきます。
本陣痛がきてから分娩までにかかる時間には個人差がありますが、平均して初産婦は約10~16時間、経産婦は約6~8時間といわれています。
前駆陣痛と本陣痛の見分け方
痛みの間隔を計ろう

陣痛かも、と思ったら、まずは間隔を計って記録していきましょう。
・痛みの間隔が規則的である
・間隔が徐々に短くなっている
・痛みが徐々に強く長くなっている
これらに当てはまったら本陣痛である可能性が高いです。なお、出産が近くなると胎動が強くなっていきますので、陣痛との見分けが難しいと感じるかもしれません。
・子宮口や膀胱を押されるような痛み
・体勢を変えても痛みがおさまらない
・痛みの間隔が規則的ではない
こうした場合は、胎動であると考えられます。ただ痛みがおさまらずにおなかが張る時は、陣痛や胎動ではないかもしれません。常位胎盤早期剥離や子宮破裂が起きている可能性もあります。すぐに病院へ連絡しましょう。
前駆陣痛から出産まで
出産までの流れ
いざというときに慌てないために、出産までの流れを事前に頭に入れておきましょう。一般に、前駆陣痛からおしるし、本陣痛や破水、出産という流れになることが多いです。
もちろん、順番が前後することもありますし、おしるしがこないこともありますので、この通りでなくても問題はありません。
体験談

おしるし

出産の3日ほど前から出産当日にかけて、おしるしと呼ばれるおりものの一種が出ることがあります。おしるしは薄いピンク色であることが多いですが、透明や真っ赤であることもあります。
また、ごく少量から生理のときのような量まで、個人差があります。一般には粘り気がありますが、量が多い場合はサラッとしています。
半数近くの方はおしるしがこないと言われていますが、もしおしるしのようなものが見られた時は、まずはしっかり観察してください。
上記のようなものであれば、病院に行く必要はありません。普段通りの生活をして大丈夫ですし、入浴も可能です。
ただし、無色や乳白色、ピンク色で量が多く、動かなくても流れ出てくるようでしたら、破水している可能性があります。その場合は、シャワーや入浴はせず、すみやかに病院に連絡しましょう。
なお、以下のような症状がみられたときは、胎盤が子宮壁から剥がれる常位胎盤早期剥離などを起こしているかもしれません。ママも赤ちゃんも非常に危険な状態となっている可能性がありますので、すぐに病院に連絡してください。
・急にひどい痛みが出てくる(痛みがひくことがなく、ずっと痛い)
・おなかが張る
・流れ出るように出血する、固まりで大量に出血する
・何度もおしるしが出る
・胎動が少ない
ついに本陣痛
痛みの間隔が規則的になり、痛みが段々強く長くなっていくようでしたら本陣痛と考えてよいでしょう。時間を計り、間隔を記録していきましょう。
病院によっても指示は異なりますが、初産婦さんは10分間隔、経産婦さんは15分間隔を目途に病院に連絡すると良いでしょう。
本陣痛から出産 分娩第1期(開口期)

本陣痛が規則的になってから子宮口が全開になるまでを、分娩第1期といいます。子宮口の開き具合によって、準備期、開口期、極期にわけられます。
<準備期>
・子宮口開大:0~3cm
・陣痛の間隔:8~10分
・痛みの続く時間:20~30秒
吐き気がないようでしたら、食事をとっておきましょう。お産を進めるために、足元に気をつけながら動くと良いです。
<開口期>
・子宮口開大:4~7cm
・陣痛の間隔:5~6分
・痛みの続く時間:30~40秒
痛みが徐々に強くなっていきます。落ち着いて呼吸をし、楽な体勢をとるようにしましょう。
<極期>
・子宮口開大:8~10cm
・陣痛の間隔:1~3分
・痛みの続く時間:30~60秒
痛みが強く、いきみたくなります。息を鼻から抜くようにして吐き、なるべく力を入れないようにしましょう。肛門を押すのも効果的です。
分娩第3期(後産期)

赤ちゃんが産まれ胎盤が出てくるまでを、分娩第3期といいます。マッサージをし、ゆっくりと臍帯を引っ張って胎盤を剥がしながら、胎盤を出します。痛みは軽い陣痛くらいです。
体験談

体験談

まとめ
前駆陣痛がきても、すぐには本陣痛が始まらないかもしれません。ただ、出産の時が近づいてきているのは確かです。
不安や焦りを感じるかもしれませんが、赤ちゃんに会えるのを楽しみにしながら、本陣痛がくるのを待ちましょうね。(文章作成:米奉行)
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